クマ等が市街地に出没したときの銃猟に関する法律の改正(鳥獣保護管理法の改正)
今年は年明け早々、イノシシ狩りの最中にクマに襲われる事件が発生したり、今まで前例のないような市街地へクマが出没したりしています。
現行では、住宅等に弾丸が届く恐れのある場所(住宅地)では発砲できず(鳥獣保護管理法による規制)、緊急性(今にも人が襲われそうぐらいの緊急性)を認めた現場警察官による指示による発砲と捕獲(警察官職務執行法)、県へ捕獲の許可申請をして認可を受けて檻による捕獲(鳥獣保護管理法)しかできません。しかしながら緊急性の判断が難しく、警察官職務執行法による対応はほとんどなく、県へ捕獲許可申請をして捕獲しているのがほとんどです。
そこで、鳥獣保護管理法に市街地での緊急時の銃猟(緊急銃猟)の規定を盛り込んだ法改正が行われました。(4/18日に国会で承認、成立、今年の秋に施行予定とのこと)改正の主な点は、市街地等にクマやイノシシが出没し人に危害を与える恐れのある緊急時に自治体の首長による許可で市街地での銃猟が可能になるものです。
今回の鳥獣保護管理法の改正の環境省プレスリリースについて

以下は鳥獣保護法の今回の改正における、環境省が出している概要版です。
法律案の概要を一部引用します。
〇市町村長は
①危険鳥獣(クマ等)が人の日常生活圏(住居、広場、乗物等)に侵入し、
②危険鳥獣による人の生命・身体への危害を防止する措置が緊急に必要で、
③銃猟以外の方法では的確かつ迅速に危険鳥獣の捕獲等をすることが困難であり、
④避難等によって地域住民等に弾丸が到達するおそれがない場合には、危険鳥獣の銃猟を捕獲者に委託して実施させることができる(緊急銃猟)(第38条の適用除外)。
〇緊急銃猟の実施にあたり、下記の関連規定を整備。
・地域住民等の安全確保のため、必要に応じ、市町村長は通行制限、避難指示を実施。
・市町村長は、都道府県知事に応援を要請することができる。
・緊急銃猟の実施に伴う損失(物損)については、市町村長が補償。
この法改正により、市街地での猛獣対応において、銃使用の基準が明確になり、物損等の事故が起こった際に発砲を許可した自治体による補償を行うこととなっているためハンターの負担が減ることが期待されています。実際の現場の運用に関して、ガイドライン等はまだ出ていないようなので出たら記事を上げたいと思います。
市街地に出没したクマ捕獲事案(5/18日 鶴岡市)
改正鳥獣保護管理法の施行前で、従来の市街地での捕獲方法、警察官職務執行法による警察官より命令を受けてクマを捕獲した事例が発生しました。ここ最近のクマが市街地で出没した事案では銃による捕獲はなかなかないので、今回の事案は相当緊迫された状況だったのだと思われます。対応された皆様、お疲れさまでした。

麻酔銃の使用について
山形県内で麻酔銃を扱える人はR7/5/22現在で山形市の獣医師1名しかいないそうです。クマ目撃件数や市街地への出没が増加している中で、クマ対策の強化のため、今年度に麻酔銃を扱える人材の育成に取り組むそうです。候補者も決まっているそうで、東根市の獣医師と鶴岡市の鳥獣被害対策推進委員の2名とのことです。上記では銃猟による捕獲の話でしたが、害性の低い個体の場合は麻酔銃で眠らせて山へ放獣したり、くくり罠での錯誤捕獲時の対応などで活躍してくれるものと思います。

また、これに関して5/2に上山市の市街地に現れたクマについては上記の麻酔銃を扱える1名の獣医師さんが対応にあたったものと思われます。獣医師さんと現地の猟友会の皆さん対応お疲れさまでした。




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